UR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要で人気の賃貸住宅です。一方で、申し込むには「家賃の4倍の月収」などの収入基準があり、年金生活の方や仕事を辞めたばかりの方にはハードルが高く感じられます。
そんなときに使えるのが、URの「家賃等の一時払い制度」です。家賃と共益費をまとめて前払いすれば、収入要件を問われずに申し込め、家賃も割引されます。
URの一時払い制度とは?仕組み・期間・割引率
URの一時払い制度は、1〜10年分の家賃と共益費をまとめて前払いすると、その期間は割引された家賃等で住める制度です。正式名称は「家賃等の一時払い制度」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 前払いするもの | 家賃+共益費 |
| 期間 | 1〜10年(1年単位で選択) |
| 開始時期 | 入居開始可能日の属する月の翌月から |
| 割引 | 期間に応じてUR都市機構が定める割引率を適用 |
| 収入要件 | 問われない |
| 契約 | 賃貸借契約とは別に「家賃等の一時払い」契約を結ぶ |
| 期間終了後 | 毎月の口座振替に切り替えるか、再度一時払いを選ぶ |
割引率について
割引は月あたり「数百円〜数千円程度」です。節約よりも、収入審査なしで入居できることがこの制度の一番の価値だと考えるとよいでしょう。
収入なし・無職でもOK?一時払い制度の申込資格
一時払い制度を使えば、通常の収入基準も貯蓄基準も問われません。収入証明書類も不要です。
参考までに、通常のURの収入基準(基準月収額)は次のとおりです。
| 家賃 | 世帯で申し込む場合 | 単身で申し込む場合 |
|---|---|---|
| 少額の住戸 | 家賃の4倍(8万2,500円未満) | 家賃の4倍(6万2,500円未満) |
| 中間の住戸(20万円未満) | 月収33万円 | 月収25万円 |
| 20万円以上 | 月収40万円 | 月収40万円 |
収入が足りない場合は、「月額家賃の100倍の預貯金」で代える貯蓄基準もあります。家賃6万円なら600万円が必要です。一時払い制度なら、このどちらも満たす必要はありません。
それでも必要な申込資格
- 日本国籍、または所定の在留資格を持つ外国籍の方
- 入居開始可能日から1か月以内に入居できること
- URへの未払い金がないこと
- 個人契約であること(法人契約は対象外)
すでにURに住んでいる方も、一時払いへ切り替えられます。問い合わせ先は管理サービス事務所か住まいセンターです。
いくら必要?支払額の計算例と初期費用
一時払い額は、割引前で次の式で計算できます。実際の支払額は、ここからURの割引率で少し下がります。
一時払い額(割引前)=(家賃+共益費)×12か月×年数
例として、家賃7万円・共益費3,000円の住戸で計算します。
| 前払い期間 | 割引前の一時払い額 |
|---|---|
| 1年 | 876,000円 |
| 3年 | 2,628,000円 |
| 5年 | 4,380,000円 |
| 10年 | 8,760,000円 |
一時払いとは別にかかる初期費用
- 敷金(家賃の2か月分。上の例なら14万円)
- 入居月の日割り家賃・日割り共益費
礼金・仲介手数料・更新料・保証人は不要です。上の例で1年分を前払いすると、割引前で約101万円と日割り分が契約時の目安です。
UR一時払い制度のメリット・デメリット
最大のメリットは収入審査なしで入居できること、最大のデメリットは原則として途中解約できないことです。
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | 収入基準・貯蓄基準を問われず、収入証明も不要 |
| メリット | 前払い期間に応じて家賃と共益費が割引される |
| メリット | 期間中は毎月の家賃の支払いがなく、払い忘れの心配がない |
| メリット | 礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要(UR共通) |
| デメリット | まとまった資金が契約時に必要 |
| デメリット | やむを得ない事情がない限り途中解約できない |
| デメリット | 割引額は大きくない |
| デメリット | 一部の住宅や他の割引制度と併用する場合条件がある |
URの一時払い制度が向いている人
収入は少ないものの、まとまった資金があり、同じ住まいに長く住む予定の方に向いています。
- 高齢者・年金生活の方:年金だけでは月収基準に届かないものの、退職金や貯蓄がある場合
- 無職・転職活動中の方:直近の収入証明が出せない場合
- フリーランス・自営業の方:収入の波が大きく、審査が不安な場合
- 貯蓄基準に少し届かない方:家賃の100倍の預貯金はないが、数年分の家賃なら払える場合
逆に、転勤や住み替えの可能性が高い方は、短い期間から始めるのが安心です。
UR一時払い制度の申込の流れ
申込は通常のURとほぼ同じで、付け加わるのは「一時払い」契約だけです。
- 住みたい物件を探し、URの営業窓口で一時払い制度を使いたいと伝える
- 希望する期間での割引後の金額と、他の制度との併用可否を確認する
- 仮申込みをする
- 仮申込みの翌日から1週間以内に本申込みをする(住民票などを提出。収入証明は不要)
- 賃貸借契約と「家賃等の一時払い」契約を結び、一時払い額・敷金・日割り分を支払う
- 入居。入居開始可能日の翌月から一時払い期間が始まる
必要書類や日程は物件や時期で変わることがあるため、窓口で確認してください。
契約前に確認したい注意点
途中解約は原則できない
UR公式サイトでは、やむを得ない事情がある場合を除き途中解約はできないとされています。引越しが必要になった場合などには解約でき、残りの期間分が返されると紹介する解説記事もあります。ただし、返金の計算方法は公式には明記されていないため、契約前に必ず窓口で確認しましょう。
住む予定より長い期間を選ばない
割引を狙って長い期間を選ぶと、予定外の引越しで困ることがあります。期間終了後に再度一時払いできるため、迷ったら短めの期間が安心です。
他の制度と併用できないことがある
一部の住宅では一時払い制度が使えないほか、近居割や子育て割などと併用できない場合があります。希望の期間に応じてもらえない住戸もあるため、仮申込みの前に確認しておきましょう。
手元に残す生活資金も考えておく
まとめて支払うと手元の資金が減ります。医療費や生活費など、入居後に必要なお金も残せるかを確かめてから期間を決めましょう。
UR一時払い制度のよくある質問
Q. 無職でもURに入居できますか?
はい。一時払い制度を使えば収入要件を問われないため、無職の方も申し込めます。国籍や入居時期など、ほかの申込資格は満たす必要があります。
Q. 割引率は何%ですか?
URは割引率は数百円~数千円程度です。住戸と期間ごとに営業窓口で割引後の金額を教えてもらえます。
Q. 何年分まで前払いできますか?
1年から10年まで、1年単位で選べます。
Q. すでにURに住んでいても使えますか?
使えます。管理サービス事務所か住まいセンターに問い合わせましょう。
Q. 期間が終わったらどうなりますか?
口座振替での毎月払いに切り替えるか、もう一度一時払いをするかを選べます。
Q. 法人契約でも使えますか?
使えません。対象は個人契約のみです。
まとめ:URの一時払い制度は「収入審査なし」で入居できる選択肢
URの一時払い制度は、1〜10年分の家賃と共益費を前払いすることで、収入要件なしで入居でき、家賃も割引される制度です。年金生活の方や無職・フリーランスの方にとって、住まい探しの大きな助けになります。
一方で、途中解約は原則できず、割引率も公表されていません。契約前に割引後の金額、解約時の扱い、他の制度との併用可否を窓口で確認しましょう。
「自分の場合はいくらになる?」「どの物件なら使える?」という方は、お気軽にご相談ください。[ここに自社の問い合わせ先・ボタンを入れる]
※本記事は2026年10月時点の情報です。制度の内容は変わることがあるため、最新情報はUR公式サイトでご確認ください。
参考資料
3-4.ハウスシェアリング制度・敷金分割制度との併用不可
UR賃貸では、春と秋を中心に、入居当初の家賃1〜2か月分が無料になるフリーレントのキャンペーン物件があります。こうした物件で一時払い制度を利用する場合、必要な前払い期間が通常より長くなることがあります(例:2年分の前払いが必要になるケース)。申込み前に条件をよく確認しておきましょう。
3-5. 法人契約では利用できない
一時払い制度は個人契約向けの制度のため、法人契約(社宅利用など)では利用できません。
一時払い制度をご利用される
「家賃等の一時払い制度」のご案内
都市機構の賃貸住宅を契約される際に1~10年分の家賃及び共益費(以下「家賃等」という。)をまとめてお支払いいただける制度です。
○ 対象者は、都市機構の賃貸住宅をご契約される個人の方です。
○ 一時払期間は、入居開始可能日の翌月から、1年以上、10年以下の1年単位でお選びいただけます。
(※一時払期間の満了日をもって一時払契約は終了します。)
○ 割引率(適用利率)は、別表のとおりとなります。
なお、割引率は書類提出時の利率を適用します。
(「家賃等一時払申込書」を提出していただきます。)
○ 一時払契約の締結は、都市機構賃貸住宅賃貸借契約書と共に「家賃等の一時払いに関する契約書」を締結していただきます。
その賃貸住宅賃貸借契約締結日までに、一時払家賃等の全額を、敷金及び日割家賃等と共にお支払いいただきます。
○ 一時払契約期間中に家賃等の改定があった場合は、
- 家賃等が引上げされた場合:一時払契約期間の短縮又は契約期間終了時に不足分をお支払いいただき精算します。
- 家賃等が引下げされた場合:一時払期間終了後に残金を返還します。(利息はつきません。)
※一時払契約は、将来にわたり一時払契約期間中の家賃等の額を固定するものではありません。
○ 一時払契約は次の場合、その日をもって終了します。
- 住宅の賃貸借契約が解除されたとき。
- 一時払契約者が賃貸借契約の契約名義人でなくなったとき。
- 一時払契約者が死亡し、都市機構に書面による通知があったとき、又はその事実を都市機構が知ったとき。
○ 一時払契約を解除するには、契約者にやむを得ない事情があり、都市機構が承諾した場合のみです。
なお、一時払契約の解除日は、申し出があった日の属する月の月末となります。
○ 一時払契約の終了・解除した場合は、その期間までの適用利率で再計算いたします。
○ 一時払契約終了時に、再度「家賃等の一時払い」契約を締結することができますが、新たな一時払契約の締結になりますので、割引率は当初のものではなく、再契約時の利率になります。








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